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# 神学生の兵役免除巡りイスラエルでネタニヤフ政権に連立崩壊の危機
2024/03/29 08:42
イスラエルのネタニヤフ首相が率いる連立政権に亀裂が生じている。
 最高裁判所が超正統派ユダヤ教の神学校に対し、学生が兵役につかない限り
   資金援助を凍結
するとの判断を下し、これに激怒したユダヤ教超正統派の政党が連立解消を示唆した。
 パレスチナ自治区ガザでの戦争を続ける同国を政権存続の危機が発生した。

 連立与党の一角を成す超正統派の宗教政党は、最高裁の決定を「カインの印」と表現したうえ、旧約聖書に登場する弟殺しの兄に例えて非難し、政権退陣も辞さないと表明した。
 
これまで、これら政党には数十年続いた徴兵免除が恒久化されるとの確約が与えられ、特権的な立場を支援してきた。
 
 昨年10月に発足した「戦時内閣」に参加した中道派は、戦争には人材が必要だとして最高裁の判断を支持した。
 
 なお、イスラエルはガザのハマスに対する攻撃だけでなく、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラからの脅威に対しても武力で応じ全面戦争に近づいている。

 そもそも、兵役免除は不公平であり、経済を疲弊させているとの考えから、超正統派を担ぎ上げる負担は耐えがたいとイスラエル国民の大多数が感じるようになっている。
 
 過去1年に同国で起きた危機は2つあった。
 汚職まみれのネタニアフが率いる政府が司法の力を弱めようとしたことに抗議した大規模なデモが起きている、もう一つがガザでの戦争だ。
 今回の危機はその2つが一つにまとめられ、ネタニヤフ氏に究極の試練を突きつけた格好となっている。

 戦時内閣のメンバー
   ガンツ前国防相
は「問題は最高裁ではない」と指摘したうえ、野党を率い、ネタニヤフ氏よりはるかに高い支持率のガンツ氏は「問題は困難な戦争が兵士を必要としていることであり、国への奉仕という特権に社会が全員の参加を必要としていることだ」と批判した。

 現時点では選挙は2026年まで予定されていない。
 しかし、超正統派が政権を離脱すれば解散総選挙という運びになる。
 
 世論調査通りの結果で新政権が誕生しても、超正統派が優遇される見込みは薄い。
 このため、特権を維持したい宗教政党が与党を離脱し、解散総選挙のシナリオは実現性が低いと多くが考えている。

 超正統派がイスラエルを
   神学的な窮乏
に引きずり込むリスクがあり、現在のガザ危機はこれに正面から向き合う機会だとの認識が技術官僚やビジネス界、学会に広がっている。

 なお、120議席の国会で、ネタニヤフ首相の連立政権は半数を5議席上回るに過ぎないため、求心力は対立する勢力のバランス調製能力があったに過ぎない。

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