また、労働市場に対する見方が弱まった。
　雇用は「十分にある」との回答が減った。
　一方で、「職を得るのは困難」との回答が増加した。
　「雇用が十分」と「職を得るのは困難」との回答の差は昨年11月以来の水準に落ち込んだ。
　
　なお、エコノミストは労働市場の強さを判断する指標として、この差に注目している。

　雇用市場の見通しも悪化した。今後６カ月に仕事が増えるとの回答は2011年以来の低い水準となった。なお、収入に対する見方も悪化しており、これは個人消費にとって懸念すべき兆候だろう。
　
　通常の調査に加えて行った質問では、節約するため向こう半年に外食を減らすとの回答が半数近くに上った。
　衣料品や娯楽に関する支出を削減する、またはやめるとの回答もあった。
　
　
ひとこと
　インフレ傾向が強いということだろう。米国のバイデン政権としては時期大統領選挙に向けた経済対策として、輸入物価を抑え込むため、主要輸入国の日本からの貿易支出が増えないように円安を矯正し続け、政権維持を目論む岸田政権が米国の圧力を受け入れ、実質的な異次元の金融政策の転換を先延ばしにして、原油や穀物、食肉等消費者の懐を直撃するインフレを日本国民に強いるといった露骨な米国への忖度が続くことを意味するものだ。
　
　４月２９日の為替介入も５兆円程度の規模であり、薄価で５００兆円程度(時価では1000兆円近くにもなる)保有する米国債券の規模から見れば、雀の涙程度である。
　
　日本が円高で為替介入したのは１ドル１００円から８０円程度であり、現在は１５５円を突破している。為替差益だけで５割、国債の金利を考えれば、日本が財政赤字で発行している国債1000兆円を消し去ることすら可能だが、消費税増税や社会保険料の負担などで国民の懐から資産を奪い続け、政権を維持するために米国政府等に差し出す構図が問題だ。これは与党だけではなく、こうした経済環境を作り出したのは野党が政権時代に実施した事業仕分け、規制緩和、民間最優先などで国の体制を破壊し、日本市場を国際資本に差し出してしまったたことが最大の経済的元凶だ。
　
　国防についても、米国の軍産複合体生への忖度ばかりが目に付き、火器弾薬類の確保、反撃能力なども、戦闘機等の拡充も米国に偏重しているのが問題であり、欧州との競争をさせ、価格の低下と兵器の性能向上の両面を追及すべきである。
　中国やロシアに忖度する与野党政治家の質の悪さも問題のひとつだ。