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2025/12/11 07:42
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イングランド銀行(英中央銀行)は、英国の銀行セクターが必要とする資本水準の推計値を10年ぶりに引き下げた。 中銀は2日発表した声明で、英国の銀行システムはリスク加重資産の約13%を中核的自己資本(ティア1資本)として保有すべきだとの認識を示した。 これまで必要とされていた水準14%から引き下げた。 同水準は2015年に最初に示され、19年の見直しで据え置かれていた。 引き下げは2027年に最新の国際的な資本規制を導入する際に実施される予定で、各銀行固有のリスクに応じて上乗せされる ピラー2A と呼ばれる追加の最低資本要件を引き下げる。 また、英中銀金融行政委員会(EPC)は、来年に銀行資本枠組みのさらなる改善に向けた協議を行う方針も示した。 英中銀は声明で、「EPCの基準引き下げによって、銀行は高い確実性と自信を持って英国の家計や企業への貸し出しに資本を活用することができる」と説明した。 銀行セクターの強靱性が高まったと指摘した。 英銀のティア1資本比率は現在、全体で約17%。 中銀は2日、英国の主要銀行7行全てが、中銀による最新のストレステスト(健全性審査)に合格したと発表した。 経済がインフレ率と金利の急上昇を伴う深刻なストレスに見舞われても、銀行には貸し出しを継続できるだけの資本があると判断した。 それでも、中銀の最新の金融安定報告は、一部領域でのリスクの高まりを指摘した。 人工知能(AI)関連では、数兆ドル規模の投資が巻き戻されるリスクに当局者が警告を強めている。 また、英国債市場におけるヘッジファンドのベーシス取引が一段と注目を集めている。 英中銀は80ページに及ぶ文書の中で、銀行資本を巡る見直しで検討対象となる幅広い論点を示した。 レバレッジ比率や銀行の資本バッファー(上乗せ資本)についての検討が含まれる。 中銀は声明で「EPCと健全性規制機構(PRA)は、英国の銀行、シンクタンク、業界団体、投資家、学識関係者など幅広い当事者から意見を求める」とし、「検証が必要な論点に関するフィードバックや根拠を歓迎する」と表明した。 PR |
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2025/12/10 06:16
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著名投資家 報酬パッケージ案は株式希薄化を一段と悪化させるとも警告し、電気自動車(EV)メーカー テスラ の株価について、「ばかげた過大評価」との見方を示した。 バーリ氏は自身のブログで、株式報酬による テスラ株の希薄化 が年約3.6%に達し、これを打ち消す自社株買いも行われていないと分析した。 バーリ氏は、2008年の金融危機時に 米住宅市場の崩壊 を見越した取引、いわゆる「世紀の空売り」で知られる。 |
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2025/12/09 17:56
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米フォード・モーターは中国メーカーの台頭で競争が激化する欧州市場で手頃な価格の 電気自動車(EV) を販売するためフランスのルノーと新たな提携に踏み切った。 2028年前半から販売店に並ぶ見通しで、バンの共同生産についても検討を進める。 フォードの ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO) はパリでの記者会見で、「自動車ビジネスの現実は資本が必要で、コスト競争力が求められる」と述べた。 欧州では 比亜迪(BYD) など中国勢が、低価格のEVやハイブリッド車で存在感を高めており、地元の自動車メーカー各社は競争力の強化を迫られている。 欧州勢はコストを抑えつつ開発スピードを上げるため、中国の技術力も利用するという。 ルノーはEV版「トゥインゴ」の開発に上海の研究開発拠点を活用しており、同モデルは来夏までに2万ユーロ(約360万円)未満で発売される予定。 今回の動きは、欧州でのフォードの生産能力がさらに縮小する可能性を示している。 同社は北米部門に比べ業績が低迷している欧州で、生産と人員の削減を進めている。 |
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2025/12/09 06:48
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イングランド銀行(BOE 英中央銀行)は、現物債と対応する先物との価格のわずかな乖離から利益を狙うヘッジファンドが好む 収益性の高い債券投資戦略 いわゆるベーシス取引による英国債へのリスクの高まりを指摘した。 中銀は一斉巻き戻しが英国債市場のボラティリティーを誘発しかねないため、市場参加者に対し、 無秩序な取引の巻き戻し を避けるよう、 リスクテーク を管理することを促した。 中銀の2日の発表によると、 英国債を担保としたレポ取引 でのヘッジファンドの純借入額は、11月に約1000億ポンド(約20兆6000億円)に達した。 これは統計開始以来の高水準で、6月時点の推計770億ポンドを上回っている。 230億ポンドという増加はベーシス取引に関連しており、ポジションの大半は 英国外の運用主体 によるものだと続けた。 特に米系運用会社が手がけるヘッジファンドが全体の約60%を占めている。 中銀では「英国債のレポ市場で少数のファンドが集中してレバレッジの大きい取引を行っていることは、相場急変のリスクを高める。ショック発生時にファンドが同時にレバレッジ解消を迫られる恐れがある」と分析している。 「歴史的な相関から外れる動きを含め、起こり得るショックを織り込んでポジションを適切にリスク管理する」よう市場参加者に求めた。 大手ヘッジファンドによる国債取引への関与は、 ノンバンク金融機関 からのリスクを抑制しようとする世界の規制当局の主要議題となっている。 レポ市場は、ベーシス取引を含め、さまざまなヘッジファンド戦略にとって重要な資金源となっている。 英中銀はこれまでも、英国債市場でヘッジファンドの役割が拡大することで、 投げ売り が発生するリスクが高まると警告してきた。 なお、2日のリポートで、英国債レポ市場の一部は不透明であり、規制対応を難しくしているとも指摘した。 BOEは、レバレッジを用いる市場参加者の有用性に触れつつも、「強制的または広範なレバレッジ解消が生じれば、初期の価格変動を増幅させ、さらなる強制売却を招く悪循環を引き起こす可能性がある」と論じた。 |
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2025/12/08 05:49
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人工知能(AI)への旺盛な投資や、財政・金融政策が下支えしていると指摘した。 OECDは米国とユーロ圏の今年と来年の成長率予測を引き上げた。 他の主要国についても小幅に上方修正した。 ただ、世界経済の2026年成長率予想を2.9%に据え置き、今年の3.2%からの低下を見込んだ。 トランプ関税の影響が企業の価格転嫁が広がり、今後本格的に表れると予想している。 コーマン事務総長は「世界経済は今年、貿易障壁の引き上げや不確実性の高まりを受けてより急激に減速すると懸念されたが、底堅さを維持している」と述べた上で「ただ、今年4-6月(第2四半期)には世界の貿易成長が減速しており、より高い関税は今後徐々に物価上昇につながり、家計消費と企業投資の成長を抑えると見込んでいる」と続けた。 トランプ氏が世界貿易のルールを一方的に圧力を加えて書き換えようとする中で生じた経済の混乱は、国際機関やエコノミストにとって予測が難しい状況を生んでいる。 OECDは6月に、米国の今年の成長率が1.6%に減速すると予想したが、9月には1.8%へと上方修正し、現在は2%を見込んでいる。 特に米国で顕著な AI投資の急拡大 データセンター建設 は、経済予測に影響すると予想されている。 AI投資の活況がなかった場合、米国経済は1-6月(上期)に0.1%縮小したとOECDは推計している。 OECDのデ・メロ経済総局国別研究部長は「新テクノロジーの時代に企業が成長するための設備投資に関わるすべてが、経済活動を押し上げている。政策の不透明感や関税が経済活動に及ぼす悪影響の一部を打ち消している」と指摘した。 それでも、OECDはテクノロジー分野の急速な拡大とAIへの楽観が、 資産価格の急激な調整 強制的な資産売却 につながるリスクがあると警告した。 貿易政策の急速な変更への懸念と相まって、先行きは「脆弱」であり、見通しには「相当程度のリスクがある」と指摘した。 |
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2025/12/07 22:02
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ユーロ圏の11月のインフレ率は、前月から伸びが若干加速し、 追加利下げ の根拠はほぼ見当たらないとする欧州中央銀行(ECB)の見解を裏付ける結果となった。 欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が2日発表した11月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は 前年同月比+2.2% に上昇した。 なお、前月は2.1%上昇だった。 事前調査の予想値は2.1%上昇が見込まれていた。 変動の激しい項目を除くコアCPIは前年同月比2.4%上昇で、前月から変わらずだった。 当局者らが注視するサービスのインフレ率は若干上昇した。 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の物価急騰を経て、ユーロ圏のインフレ率は9カ月間、ECBが目標とする2%付近で推移している。 基調的なインフレ圧力も、より緩やかなペースではあるが弱まりつつある。 ただ、ユーロ圏加盟国間では各国の経済状況の違いやベース効果が響いて、状況が大きく異なっており、ドイツではインフレが加速した一方、フランスでは横ばい、スペインとイタリアではインフレは減速した。 投資家やエコノミストらの間ではECBは今月の会合で政策金利を再び2%で据え置くとみる。 |
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2025/12/06 21:46
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米セールスフォースが1日に発表したデータで今年の「サイバーマンデー(感謝祭翌週の月曜日)」における米国のオンライン支出は欧州を下回る伸びとなったことが明らかになった。 トランプ米大統領による貿易戦争の影響や欧州中央銀行(ECB)の積極的な利下げが背景にあるという。 ニューヨーク時間1日正午(日本時間2日午前2時)時点の同データによると、欧州を中心とした世界のオンライン支出は前年同期比5.3%増だったのに対し、米国は2.6%増にとどまった。 セールスフォースは消費者約15億人の取引を追跡している。 ブラックフライデーでは世界の支出の伸びが米国の2倍になったと発表していた。 セールスフォースの消費者インサイト部門ディレクター カイラ・シュワルツ氏 は、オンラインの年末商戦は通常、米国の方が伸びが大きいが、今年は米国の消費者が関税の影響を受けている上、欧州では昨年から続く一連の利下げが景気押し上げ効果につながっていると説明した。 同氏はインタビューで「2024年は英国やドイツ、フランスなど主要市場が比較的軟調だったが、利下げを受けて今年は欧州の消費者がサイバーウィークでの買い物に前向きになっている」と指摘した。 貿易戦争のほか、政府機関の閉鎖、労働市場の弱体化が消費者心理を圧迫しており、今年は年末商戦の行方を予想しづらくなっている。 アドビは米国でのサイバーマンデーについて、セールスフォースよりやや強気な見通しを発表し、前年同期比6.3%増を見込んだ。 ニューヨーク時間午後6時30分時点では、米国のサイバーマンデーの売上高が4.5%増の91億ドル(約1兆4200億円)に達したと公表した。 アドビによると、人気商品はスーツケースや運動器具、ビデオゲーム、毛布などだった。 割引情報サイト「クレイジー・クーポン・レディ」のシニアエディター クリスティン・マグラス氏 はソニーグループの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」や任天堂の「スイッチ2」など、最新の人気ゲーム機は通常通り高値で販売されるものの、例年であれば旧型モデルにはサイバーマンデーの値引きが適用されるが、今年はそれが見られないと述べた。 例えば2021年発売のスイッチ有機ELモデルは、値引きの代わりに無料のゲームダウンロードを付けた形で、定価のまま販売されているという。 今年の年末商戦は、トランプ大統領が4月に発表した包括的な関税措置の影響が初めて表れるタイミングとなった。 この措置は数十カ国を対象としており、世界のサプライチェーンに衝撃を与えただけでなく、米国の主要輸入先である中国との間では現在も交渉が続いている。 関税の影響が消費者価格に反映されるまでには最長で1年かかるとされるが、すでに支出額は増えているのに得られる商品は減っている兆しが出ているという。 玩具や電子機器といった人気のギフト商品は、多くが中国を含む海外から調達されているため、関税の影響を直接受けている。 ソニー、任天堂、マイクロソフトの3社は今年、ゲーム機本体の価格を引き上げる方針を事前に警告していた。 それでも年末商戦では何らかの割引があるとの期待はあった。 ただ、マグラス氏は「旧型モデルが定価で販売されているのは予想外だ」と語り、「魅力的なゲーム関連のセールがまったく見当たらない」と指摘した。 年末商戦はこれまで強弱まちまちの内容となっている。 全米小売業協会(NRF)は今月初め、11月と12月の消費支出が最大で前年比4.2%増の1兆200億ドルに達するとの見通しを示した。 これは前年の4.3%増に比べてわずかに鈍化したペースとなる。 一方で、雇用市場の不透明感や43日間にわたる政府機関閉鎖への懸念を背景に、11月の米消費者信頼感指数は7カ月ぶりの低水準となった。 ブラックフライデーにおいても、目立った割引が乏しく、買い物客の反応は総じて低調だった。 |
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