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# 米国で再び禁止論が台頭する中、TikTokは米国内の利用者1.7億人盾に徹底抗戦の構え
2024/04/22 08:43
 トランプ米政権が4年前、米国で動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の利用を禁止する構えを見せると、親会社である中国の
   字節跳動(バイトダンス)
は、事業売却に向けた予備的な協議を行ったものの、今回は事情が異なる。
 米国政府はここにきて再び、TikTokをバイトダンスから切り離さない限り、米国でのアプリ利用を禁止する意向を明らかにしている。
 ただ、同社は売却の意思がないことを明確にしたTikTokの経営陣は、米議会で禁止法案が可決された場合には、法廷で争う方針を従業員に伝えた。

 TikTokの米州担当パブリックポリシー責任者
   マイケル・ベッカーマン氏
は米国スタッフに宛てた文書で「われわれは戦い続ける」と言明した。
 また、「これはこの長いプロセスの始まりであり、終わりではない」と続けた。
 これで米政府とTikTokとの間で 
   重大な法廷闘争
へと発展する舞台が整うことになる。
 
 TikTokの親会社バイトダンスは中国の急速な技術発展を象徴する存在となっており、その結果は、テンセントやPDDホールディングス傘下の「Temu(ティームー)」といった米国市場への野心を募らせる中国企業のビジネス展望を決定づける可能性が高そうだ。
 
 また、中国政府の権益と表裏一体となってきているバイトダンスから華為技術(ファーウェイ)に至るまで、中国を代表する有力企業に対する圧力が強まる中で、中国政府がどう対応するかの試金石となる。
 中国上海にある復旦大学アメリカ研究センターの主任、呉心伯氏は「TikTokだけではない。米国がファーウェイに矛先を向けて以降、今では数百の中国企業が米国の制裁下に置かれている」と指摘した。
 また、「将来的にはTemuや他の電子商取引(eコマース)企業も影響を受け得る。米国の同盟国もTikTok禁止で追随するかもしれず、これはドミノ効果をもたらす可能性がある」と続けた。
 バイトダンスには、米政府に対抗すべき確固とした理由として、米国事業の規模が2020年をはるかに上回っており、当時1億人弱だった利用者は1億7000万人まで伸びており、売上高も他の市場と比べて突出しているため、この収益源となっている市場を手放すことは収益減少に直結するためだ。
 トランプ政権が目指していた
   アプリ禁止
が頓挫して以降、TikTokでは
   インフルエンサー
を軸とするeコマース事業を構築し勢力を拡大させてきた。
 その結果、数百万に上るコンテンツクリエイターや中小企業が収益確保でTikTokに大きく依存し、影響力が高まっている。
 
 米経済の大部分と切っても切り離せないほど結びつきを強めることで、簡単には排除できない状況を作り出したとも言える。
 
 また、7月頃にはメキシコでライブショッピングを開始する準備も進めているといった情報も流れている。
 そのため、米国で禁止されれば、大規模な混乱など、世界展開に一段と広範な影響を及ぼす恐れがある。
 TikTokは米国で訴訟になっても勝てる見込みがあると考えていると見られる。
 1億7000万人の米国人を強制的にプラットフォームから排除することは、憲法修正第1条に定められた
   言論の自由の権利
を奪うことになると主張する構えが背景にあるためだ。
 これは米国の司法制度において強力なアプローチとなるが、利用者の個人情報や秩序の混乱等に関する問題点との天秤に注目が移る可能性もある。。
 なお、欧州連合(EU)当局も、最近フランスとスペインでサービスが始まった「Tiktok Lite(ティックトック・ライト)」と呼ばれる簡易版アプリのポイント制度について
   中毒性のリスク
があるなどとして問題視しており、こうした問題の解決にTiktokが対応しなければ、巨額の制裁金を科す構えもみせている。
 
    

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