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# 米小売売上高 年末商戦の個人消費は底堅く、幅広い分野で増加
2025/01/18 09:27
 昨年12月の米小売売上高は
   前月比+0.4%
増加したが市場予想の0.6%増を下回った。
 11月は0.8%増(速報値0.7%増)に上方修正された。
 
 自動車を除いたベースでは0.4%増。自動車とガソリンを除いたベースでは0.3%増えた。
 幅広い分野で増加しており、ホリデーシーズンに個人消費が旺盛だったことを示した。
 国内総生産(GDP)の算出に使用される自動車、ガソリン、外食、建設資材を除いたコア小売売上高(コントロールグループ)は前月比0.7%増と、ここ3カ月で最も伸びた。
 
 13分野のうち10分野で増加。家具やスポーツ用品店などが伸びた。
 自動車は0.7%増。トランプ次期米大統領が電気自動車(EV)販売に対する税控除の廃止を掲げていることに加え、金利の低下やメーカーのインセンティブ拡大が背景にある。
 自動車は過去2カ月も大きく伸びていた。
 ガソリン価格の値上がりを反映し、給油所の売上高も増えた。
 
 今回の統計は、実質賃金の伸びに支えられ、個人消費が年末商戦シーズンに持ちこたえたことを示している。
 基調的なインフレは12月に鈍化したが、米消費者は依然として生活費の高騰に悩まされている。
 また、トランプ氏が掲げる関税引き上げを見越して、小売業者の間では値上げを検討する動きも出ている。
 
 こうした市場の動きは、今後の小売売上高データをゆがめる恐れがある。
 統計はインフレ調整をしていないため、伸びは販売増ではなく、
   単に値上がり
を反映している可能性があるためだ。
 
 この日別に発表された先週の新規失業保険申請件数は、市場予想を上回る増加となった。
 ただ、より変動の少ない4週移動平均は昨年4月以来の水準に減少し、解雇が低い水準にあることが示唆された。
 
 小売売上高は前年同月比では3.8%増加。伸びは過去3年に比べると緩やかになったものの、物価の高止まりと借り入れコスト上昇が足かせとなって大幅に減速するとの予想に反し、堅調ぶりを示した。
 米大統領選以降、消費者および企業の景況感は上向いているが、
   インフレ期待
も切り上がっているため、センチメントの改善が消費拡大につながるかは見通せない。
 コントロールグループの売上高は過去3カ月の年率で5.4%増加した。
 昨年10-12月(第4四半期)GDPの押し上げに寄与しそうだ。
 米経済は7-9月(第3四半期)も堅調だった。
 なお、小売売上高はインフレ調整されていないだけでなく、消費支出全体に占める割合が比較的低い財の購入を主として反映している。
 
 31日に発表される12月の個人消費支出(PCE)で、インフレ調整後の財・サービス支出の詳細が明らかになる。
 ただ、小売売上高統計で唯一のサービス分野の項目である飲食店は0.3%減と、昨年1月以来の大きな落ち込みとなった。
   
   

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