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# ドラギ氏がEU経済の衰退リスクに警鐘を鳴らし、大規模投資を呼びかけ?
2024/09/10 01:31
 欧州中央銀行(ECB)前総裁で前イタリア首相の
   マリオ・ドラギ氏
は9日、EUの執行機関・欧州委員会に欧州の競争力に関する報告書を提出する。
 この議論に詳しい関係者が機密事項であるため、匿名を条件にメディアの取材で、ドラギ氏が先週、非公開の会議で加盟国特使らに対し、各国政府で中国や米国がもたらす課題に迅速に対応できていないとの認識が広がっていると伝えた。
 
 欧州連合(EU)の経済衰退リスクに警鐘を鳴らし、単一市場を活性化させるための大規模な投資を呼びかける見込みだ。
 ドラギ氏の戦略は、単一市場と人材、資本というEUの潜在的可能性の3つの基盤を阻む最大の障害を取り除く狙いがある。
  
 ドラギ氏は報告書で、包摂的な社会づくりに重点的に取り組む一方、エネルギー、通信、金融などの主要分野への投資拡大を求める。
 また、特使らに対し、人口減少が技術格差を助長し、EUの技術革新能力に影響を与えるとして、人口動態への対応も重要だと述べた。
 
 重要課題である資金調達については、ドラギ氏は、特に防衛などの分野では、支出が細分化されることにより、全体的な効率が低下するため、EUは共同での借り入れ能力をより有効に活用する必要があるとしている。
  
 欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、クリーンテックへの移行を促すためのインセンティブ提供に対する米国の強硬な対応や、電気自動車(EV)など自国産業に対する中国の巨額補助金という二重の脅威に欧州がさらされていることを受け、ドラギ氏に報告書の作成を要請した。
 
 新型コロナウイルスのパンデミックとロシアによるウクライナ侵攻によって、域内では特に防衛、エネルギー、通信、金融市場の統合が深まっておらず、EUの脆弱性が浮き彫りになっている。
 報告で特に注目されるのは、エネルギー価格の引き下げの課題への対応だ。
 関係者によると、ドラギ氏は加盟国特使らに対し、欧州がエネルギーに対して競合他国の最大4倍もの価格を支払っている限り、競争力を持てないと伝えた。
 その上、EUは世界のグリーン移行で主導的立場を維持しようとしているが、そのためにはさらにコストがかかる。
 
 クリーンテクノロジーの開発は、他国による軍事転用が可能な重要素材に依存している。
 このため、エネルギー価格引き下げとグリーン移行という二つの目標のバランスを取ることはますます困難になると、ドラギ氏は特使らに警告した。
 
 同氏の提案の一部は、フォンデアライエン氏の2期目として今秋発足する欧州委員会の新体制の政策に反映される。
  
 報告書は400ページに及ぶ見込みで、外国企業との競争が激化していることを受け、主要産業における統合の重要性と欧州委員会の長年にわたる
   競争法の見直し
も指摘する見通し。
  
   

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