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# グローバルウェーハズは通商措置の応酬に備え海外製造拠点を強化
2024/09/05 20:54
 台湾の半導体シリコンメーカー
   グローバルウェーハズ(環球晶円)
は半導体材料の関税引き上げを見越し、海外での製造を積極的に拡大している。
 今後数年の間に報復的な通商措置の応酬が、半導体サプライチェーンを混乱させるとの見通しが背景にある。
 グローバルウェーハズの
   徐秀蘭会長兼最高経営責任者(CEO)
はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「米国だけでなく、他の複数の国でも、半導体業界では何らかの特別関税が課されることになるだろう」と述べ、現地生産に切り替えることで関税を回避できると続けた。
 世界3位のシリコンウエハーメーカーの同社は、米国の2工場、イタリアの1工場、デンマークの1工場といった、事業を展開する9カ国中6カ国で工場を拡大している。
 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中やその後に、自動車製造を含む多くの産業が半導体不足で打撃を受けた。
 各国政府では、半導体技術を安全保障の観点から見る傾向が強まっている。地
 政学的な緊張の高まりも、この傾向に拍車をかけている。
 徐氏は、今や地政学が企業のビジネス手法を左右すると指摘した。
 ドイツの同業シルトロニックを50億ドル(現在の為替レートで約7300億円)で買収しようとしたものの、規制当局の承認が得られず、2022年に計画が頓挫した。
 徐氏によると、シルトロニック買収計画以前は、グローバルウェーハズの成長の80%以上が買収・合併(M&A)によるものだった。
 徐氏は「国境を越えたM&Aがますます難しくなっていることがわかり、方針を変更した。このため、2022年から6カ国で同時に事業拡大している」と話した。
 半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)やサムスン電子にシリコンウエハーを供給しているグローバルウェーハズは、各国が自国内での生産を確保するために提供している助成金の一部を活用できる。
 今年、同社はイタリア北部ノバーラに12インチウエハー工場を建設するため、欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会とイタリア政府から1億300万ユーロ(約166億円)の助成金を獲得した。
 また、米テキサス州とミズーリ州の工場拡張に際し、建設と製造で2500人の雇用を創出するとして、米国の国内半導体業界支援法(CHIPS法)に基づき4億ドルを得た。
 グローバルウェーハズは、家電製品や自動車販売の低迷から回復しつつある。同社の時価総額は2021年のピーク時のほぼ半分となっているが、緩やかな相場回復に乗りたいと徐氏は述べた。グローバルウェーハズは、日本のSUMCOや信越化学工業とも競合している。
      
   

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