ワシントン・ミューチュアル
　　（Washington Mutual、WaMu）

　アメリカ合衆国に2008年9月まで存在した、合衆国最大の貯蓄貸付組合のこと。
　ミューチュアルとは1889年9月25日に創業した協同組織金融機関で、当初は預金者のみが出資者であるという意味で設立された会社であったが、1983年に非協同組合化し、株式を公開して以降は市場から資金を調達、倒産時には協同組織金融機関とはなっていない。
　店頭での充実したサービスやオンラインサービスが高い評価を受けていた。
　ただ、他の大手金融機関と同様に
　　　　サブプライムローン
を中心に住宅ローンの事業を拡大したため、住宅市場が低迷しはじめるとサブプライムローン事業の評価損が増大した。
　信用崩壊が強まると一般住宅ローン事業にも飛び火し、2006年には
　　　　経営問題が表面化
し始め、同年の業績で住宅ローン部門において4,800万ドルの損失を計上したと発表した。

　2007年12月にはサブプライムローン事業を切り離し、従業員の削減と株式の配当削減によりコストカットをする計画を発表したものの2008年7月に発表した第2 四半期決算では
　　　　30億ドルの純損失
が明らかになった。

　2008年9月11日（現地時間）に
　　　　リーマン・ブラザーズ（情報）
が連邦倒産法第11章の適用により事実上の経営破綻をした日以降、信用不安が拡大したためWaMuの顧客ｇあ一斉に資金を引き揚げ始めたため、リーマンの破綻後の10日間での預金の引き出しは167億ドルに上ったため、運営資金がショートし、株価も下落し、 9月25日には2ドル以下になった。

　連邦預金保険公社（FDIC）は、貯蓄金融機関監督局（OTS）がWaMuに対し業務停止を命じるとともに、資産を差し押さえを行い、入札によりWaMuの事業の大部分を
　　　　JPモルガン・チェース（情報）
が19億ドル（日本円で約2000億円）で取得したと発表した。
　これによりWaMuは事実上の経営破綻をした。
　　　　

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