2024/11/21 06:41
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10月の米小売売上高は前月比0.4%増加し、市場予想(0.3%増)を上回る伸びとなった。 なお、9月は0.8%増(速報値0.4%増)に上方修正された。 データはインフレ調整を加えていない。 自動車販売は3カ月ぶりの大幅増となり、自動車販売の増加が全体を押し上げたが、自動車を除いたベースでは0.1%増となった。 また、ホリデーシーズンが近づく中で他のカテゴリーも幾分勢いを示した。 13分野のうち8分野で増加した。 電子機器や家電の販売店が特に好調だった。 ただ、電子商取引を含む無店舗小売りは伸びが鈍化した。 アマゾン・ドット・コムによる大型セール「プライムデー」での値引きや、ウォルマート、ターゲットが実施した同様のキャンペーンが影響した可能性がある。 10月のデータは強弱が混在しているが、9月分の上方修正は、今年終盤の個人消費が想定されていたより力強いことと、それを背景にホリデーシーズンの消費が堅調に推移する可能性を示唆する。 一方でインフレが根強い上に、一部の小売業者はトランプ次期政権下で 輸入品への関税が引き上げられること を見越して既に値上げを検討している。 こうした状況は今後の小売売上高データをゆがめる恐れがある。 この統計はインフレ調整をしないため、増加が示されても販売が増えたというより価格の上昇を反映しているに過ぎない可能性があるためだ。 9月分は大幅に上方修正されたが、8月分は逆に0.1%減へと下方修正された。 国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高(コントロールグループ)は、10月に0.1%減少した。 9月は2023年1月以来の大幅増だった。 ただ、過去3カ月の年率では4.6%増となり、10-12月(第4四半期)の米経済が順調に滑り出したことを示唆している。 今週発表された物価統計がインフレの根強さを示唆したことと併せて今回の小売売上高を見ると、米金融当局は追加利下げに慎重な姿勢を維持する公算が大きい。 小売売上高は主に、 消費支出全体に占める割合が比較的小さい財の購入 を反映している。 小売売上高で唯一のサービス項目である飲食店の売上高は0.7%増となった。 PR |
2024/11/20 06:24
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トランプ次期米大統領は15日、内務省と新設の 「国家エネルギー会議」 のトップにノースダコタ州の バーガム知事 を起用する意向を明らかにした。 この目論見が実現すれば、バーガム氏は、国内の石油・天然ガス生産拡大に向けた次期政権の取り組みで大きな影響力を持つことになる。 トランプ氏は自身のソーシャルネットワーク「トゥルース・ソーシャル」に投稿した声明で、「ダグ・バーガム氏は、わが国の天然資源を守り、石油と天然ガスに関する素晴らしい強みを回復し、米国とそのエネルギーを圧倒的なものとして再び偉大にするだろう!」と表明した。 14日夜にトランプ氏は、バーガム氏を内務長官に指名するだろうと発表していた。 なお、15日に正式に指名し、新設した国家エネルギー会議も発表した。 同会議については「米国のあらゆる形態のエネルギーで許認可や生産、生成、流通、規制、輸送に関わる全ての省庁で構成される」だろうと指摘した。 この職務は、バイデン大統領政権で創設されたホワイトハウスの気候顧問に似ている。 トランプ氏が米エネルギー生産を妨げていると主張する 環境規制の見直し を掲げる中で、内務省や米環境保護局(EPA)、エネルギー省など省庁間の調整を担う。 また、トランプ氏によると、バーガム氏は国家エネルギー会議の議長として、 米国家安全保障会議(NSC) のメンバーも務めることになるという。 バーガム氏は、バイデン政権時代に導入された発電所・自動車関連規制の撤廃や国内の石油掘削拡大、多くの発電所建設など、トランプ氏が掲げる計画の実行を任されることになるが、矛盾した政策を任されるため、股裂き状態に追い込まれかねないだろう。 |
2024/11/19 06:33
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トランプ次期米政権の財務長官人事を巡り、資産家 イーロン・マスク氏 は、キャンターフィッツジェラルドのハワード・ルトニック最高経営責任者(CEO)への支持を表明した。 次期財務長官の座を巡ってはルトニック氏と、キー・スクエア・グループ創業者のスコット・ベッセント氏が争っている。 トランプ氏は新政権のポストを早急に埋めるべく取り組んでいるが、内部での対立により経済閣僚人事に関する決定は遅れている。 マスク氏は自身のソーシャルメディアプラットフォームであるXで、ベッセント氏と比較しつつ、ルトニック氏について大きな変化をもたらす人物だと評価した。 ベッセント氏は15日にトランプ氏と面会している。 ベッセント、ルトニック両氏の側近はトランプ氏に訴えるべく電話攻勢を強めているが、そうした状況が緊張を生み、別の候補者が台頭する可能性を高めていると、意思決定に詳しい複数の関係者は述べた。 トランプ氏自身もこうした内部対立にいら立ちを見せているようで、スタッフは代替候補を模索している。 トランプ政権1期目で米通商代表部(USTR)代表を務めたロバート・ライトハイザー氏やウィリアム・ハガティ上院議員、アポロ・グローバル・マネジメントのマーク・ローワンCEOなどの名前が挙がっている。 ルトニック氏は選挙戦の終盤でトランプ氏の資金調達を支えたほか、政権移行チームを率いる重要な役割を担っている。 そうした背景もあり、財務長官ではない場合、大使職などルトニック氏が引き受ける得る他の要職について一部の主要アドバイザーは検討していると、こうした事情に詳しい複数の関係者がメディアの取材で述べた。 最終的な決定はトランプ氏次第だが、同氏は自身の意見をあまり公には共有していないと関係者の一部は明かした。 マスク氏はベッセント氏について、「代わり映えしない選択肢」としつつ、ルトニック氏については「実際に変化をもたらす」と記した。 |
2024/11/19 06:23
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トランプ次期米大統領は選挙戦最終日、ピッツバーグの集会で 鉄鋼労働者 に囲まれてステージに登壇し、米国の雇用と製造業を守ると約束した。 スピーチでは、日本製鉄へのUSスチール売却を阻止するという、これまで何度も言及してきた公約には一切触れなかった。 141億ドル(現在のレートで約2兆1800億円)規模の USスチール買収計画 で一般労組組合員や政治家から支持を取り付けるため、日鉄の森高弘副社長がピッツバーグ訪問を予定している。 選挙戦における発言から一転して次期大統領はこの取引について沈黙を守ったままだ。 この取引を支持すれば、選挙戦でのトランプ氏の主張に反することになるがこの問題は一部鉄鋼労働者の間でますます物議を醸している。 こうした労働者は同氏が激戦州 ペンシルベニアでの勝利 に向け取り込もうとした労働者層の代表格で、トランプ氏の言葉の価値を大きく低下させ、強い反発を生む恐れがある。 全米鉄鋼労働組合(USW)でローカル2227副会長を務める ジェイソン・ズガイ氏 は今週のインタビューで、自身とトランプ氏の間で行われた会話を明らかにした。「お願いしたいことがある。全米のテレビやあなたを支持するために集まる数千人の鉄鋼労働者の前で、この取引を阻止する方針とは言わないでほしい」とトランプ氏に話したところ、「OK」との答えが返ってきたと明かした。 なお、この会話はトランプ氏の集会後に楽屋裏で交わされたと述べ、ズガイ氏はトランプ氏に対し、日鉄への売却計画を多くの鉄鋼労働者が支持していることを伝えた。 ズガイ氏によると、トランプ氏は外国企業へのUSスチール売却になお懸念を抱いていると述べたが、ズガイ氏は、この取引は 外国から米国に投資を呼び込む というトランプ氏の公約の一つを実現するもので、鉄鋼労働者も仕事を維持するために必要としていると伝えた。 トランプ氏はミシガン州で行われた選挙戦最後の集会でこの計画には言及せず、大統領選勝利後もこの件について公に発言していない。 |
2024/11/18 22:28
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ロンドン金属取引所(LME)のアルミニウム相場は18日、中国政府が アルミなどの輸出について税還付の廃止 を発表したことで下落し、アルミ業界は 供給の流れへの影響 の見極めを急いでいる。 中国政府は15日、輸出還付制度の見直しを発表した。 アルミと銅の輸出に対する13%の税還付を廃止するとともに、電池とソーラーパネルについては税控除を縮小する方針を明らかにした。 今回の中国の動きについて、一部のアナリストは、同国の工業における 過剰生産能力を緩和する試み と捉えている。 中国の輸出が生産者および世界の購入者に対して持つ重要性のため、対象となった商品の中ではアルミに最も大きな影響があった。 なお、今回の税制度の変更は12月1日に実施される。 18日のLMEのアルミ相場は前週末比1.6%安の1トン=2608.50ドルで終了した。 15日は5.3%上昇していた。 一方、LMEの銅相場は上昇して引けた。 中国の銅製品はアルミほど世界の供給にとって需要度が高くないため、銅相場の反応は今のところそれほど顕著ではないが、今年に入り銅製品の輸出は急増している。 |
2024/11/18 15:43
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カシュカリ総裁 はブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで10月消費者物価指数(CPI)統計について、インフレ率が当局の2%目標に向かって低下しているのを裏付けているとの見解を示した。 同統計の発表直後にカシュカリ氏は、まだ詳細にデータを確認できていないと強調した。 それでも、総合CPIなどの数値を基づくと、インフレの軌道については自信を持っていると続けた。 カシュカリ氏は「インフレは正しい方向に進んでいると考える。 その点については自信を持っているが、もう少し様子を見る必要がある」と語ったうえ、「何らかの決定を下す前に、さらに1カ月もしくは6週間のデータを分析しなくてはならない」と続けた。 |
2024/11/18 07:47
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米国のインフレは10月も引き続き堅調な伸びを示した。 変動の大きい食品とエネルギーを除くコア消費者物価指数(CPI)は 前月比+0.3% と上昇、3カ月連続で同率の伸びとなった。 市場予想に一致しており、インフレ目標の達成を目指す米金融当局者が直面しているリスクを浮き彫りにした。 前年同月比では3.3%上昇-予想と一致 なお、総合CPIは前月比0.2%上昇、4カ月連続で同率の伸びとなった。 市場予想に一致 前年同月比では2.6%上昇し、3月以来の伸びが加速した。 ブルームバーグの算出によると、コア指数は過去3カ月の年率ベースでは3.6%上昇し、4月以来の高い伸びとなった。 エコノミストはインフレトレンドの指標として、総合CPIよりもコア指数の方が好ましいと見なしている。 総合CPIの前月比上昇率の半分以上は住居費が占めたと、統計発表元の労働統計局は説明した。 インフレとの闘いが足踏み状態となっていることを今回の数字は浮き彫りにしている。 インフレは全般的には下方傾向をたどりながらも、数カ月にわたって横ばいで推移することもある。 財の価格が過去1年にわたって低下した後、上昇し始めており、住宅コストは堅調な伸びが続いている。 ただ、自動車保険は小幅に低下したが、2022年の年初以降では2度目のマイナスにとどまり、消費者の負担が軽減するには至っていない。 米金融当局は今後数カ月にどの程度速いペースで利下げをすべきか議論を進めている。 強い消費や経済成長も踏まえると、今回のCPIを受けて当局は慎重姿勢を維持する見通しだ。 労働市場が冷え込みつつある中、インフレの鈍化が当局の利下げ論拠の重要な要素となってきた。 米連邦公開市場委員会(FOMC)は先週、0.25ポイントの利下げを実施した。 パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、今回の大統領選は当面の金融政策決定に「何ら影響しない」と回答している。 財政政策が変わる可能性について、その時期や内容を理解するには時期尚早だと指摘した。 中古車の価格は前月比2.7%上昇と、この1年余りで最大の伸び。ホテル宿泊費は0.4%上昇。ハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」による被害や避難命令を反映している可能性がある。 航空運賃は上昇が継続。医療保険は0.5%伸びた。労働統計局が保険料の基礎データを変更したことが背景にある。一方、衣料品の価格は新型コロナウイルス禍が始まって以来の大幅低下となった。 米金融当局は賃金の伸びにも注目している。 経済の主要な原動力である個人消費の見通しを占う手掛かりとなり得る。 別の統計によれば、10月の実質平均時給は前年同月比で1.4%上昇と、9月と同率の伸びとなった。 消費者や企業のインフレ期待を示す指標は、やや高い水準にとどまっているものもあり、懸念すべき兆候となり得る。 食品とエネルギーを除いた財の価格は2カ月連続で上昇した。 過去1年間の大半において低下していた。 ただ、中古車を除いたコア財価格は0.2%低下し、今年最大の下げとなった。 医療保険や航空運賃など、強い伸びを示したCPI項目のいくつかは、PCEにそのまま反映されることはない。 今月下旬に発表されるPCE価格統計は、比較的落ち着いた内容になりそうだ。 サービス分野で最大部分を占める住居費は0.4%上昇し、前月から伸びが加速している。 持ち家のある人がその家を賃貸する場合の想定家賃である帰属家賃(OER)も0.4%上昇した。 ブルームバーグの算出によると、住宅とエネルギーを除いたサービス価格は0.3%上昇した。 前月から伸びが鈍化した。 FRBは全体的なインフレの道筋を見極める上で、こうした指標を確認する重要性を強調しているが、当局は別の指標に基づいてこれを算出している。 当局が重視する個人消費支出(PCE)価格指数は、CPIほど住居費のウエートが高くない。 PCE価格指数が当局目標の2%に近づきつつあるのは、それが一因だ。 |
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