2025/04/06 07:12
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鴻海の1-3月売上高は24%増、データセンターブームが追い風 台湾の鴻海精密工業の1-3月(第1四半期)売上高は2022年以来の高い伸びとなった。堅調なデータセンター需要が寄与した。米トランプ政権の関税による懸念が高まる中、人工知能(AI)分野にとって明るい兆しとなった。 鴻海はエヌビディアのAIサーバーやアップルの「iPhone」のサプライヤー。アルファベットやアマゾン・ドット・コムなどによるAIコンピューティングを支援するサーバーの需要拡大の波に乗っている。 5日の発表によると、1-3月期の売上高は24.2%増の1兆6400億台湾ドル(約7兆3100億円)とアナリスト予想と一致。クラウドおよびネットワーキング製品部門が4-6月(第2四半期)も成長の勢いを維持するとの見通しを示した。 ただ鴻海は、「現時点の見通しに基づく」と全体の売上高は伸びると予想しているものの、世界の政治・経済情勢の変化による影響を注視する必要があると指摘した。 中国のスタートアップ企業、DeepSeek(ディープシーク)の低価格AIモデルの登場は、価格競争の激化や、数十億ドル規模のデータセンター投資計画の経済的持続可能性に対する疑念を生んでいる。また、トランプ大統領が2日発表した関税によって、世界経済が鈍化するとの懸念も強まっている。 AI分野においても弱含みの兆候が見られる。マイクロソフトは世界各地でデータセンタープロジェクトを縮小しており、事情に詳しい複数の関係者によれば、インドネシアや英国、オーストラリアのほか、米イリノイ、ノースダコタ、ウィスコンシン各州でプロジェクトの検討を停止したり、開発を延期したりしている。 鴻海は、中国の大規模生産拠点やベトナムの工場などから世界各地に電子機器を供給しており、トランプ政権の関税で直接的な打撃を受けることになる。 クレジットサイツのアナリスト、ジョーダン・チャルフィン、アンディ・リー、マイケル・ピューの3氏は投資家向けのリポートで、こうした関税はアップルのスマートフォン事業にとって特に痛手になると指摘。同社は中国への依存度が高く、ベトナムやインドへの生産移転の取り組みも限定的な効果しか持たないという。 鴻海の劉揚偉会長は先月、米国の複数の州で生産を拡大する方法を検討していると明らかにした。 トランプ米政権の相互関税が一部発動、全輸出国に基本税率10% 米国への全輸出国に基本税率10%の関税を課す措置が米東部時間5日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に発動された。トランプ大統領が2日、世界の貿易相手国に対する相互関税として発表していた。輸入関税を回避したい企業に米国への投資を促す戦略を突き進めるものだ。 対米貿易黒字の大きい約60カ国・地域を対象とした上乗せ税率については、9日午前0時1分(同日午後1時1分)に適用される。日本への関税率は24%となる。 各国は新たな関税にどのように対応するか検討している。今回の措置によって、米国の関税はこの100年余りで最も高い水準に引き上げられる。トランプ氏が不公平だと長年批判してきた第2次世界大戦後の世界貿易体制への大きな打撃となる。 トランプ氏の2日の発表を受け、S&P500種株価指数は11カ月ぶりの安値を記録。週末までの2営業日で5兆4000億ドル(約793兆円)の時価総額が消失した。2日間の下げは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が米国を直撃した2020年3月以来の大きさだった。 諸外国の首脳や企業幹部の対応を困難にしているのは、関税の規模縮小に向けた交渉について、トランプ氏自身がまちまちなシグナルを送っていることだ。トランプ氏は3日、他国が「何か驚くべきもの」を提示すれば、関税を引き下げる用意があると示唆した。 石破茂首相は5日の読売テレビの番組で、トランプ大統領との電話会談を「来週のうちにはやりたいと思っている」との考えを示し、トランプ氏が掲げる米国の製造業復活のために日本の貢献がどれほどプラスになるのか、「きちんと理屈で話していかないといけない」と語った。 報復関税の可能性に関する質問には「あらゆる選択肢はある」としながらも、「日本の利益を考えれば報復関税よりも、どうすればもっと米国の雇用が作れるか、どうすればそれが日本の利益にもなるのかを話していく」と述べた。 一方、中国国営中央テレビ(CCTV)に関連する微博(ウェイボ)アカウント「玉渊谭天」への5日の投稿によると、中国は国際ルールに反する一方的ないじめ行為に対して断固として最後まで戦う方針を示した。 コロナ禍以来最悪の株価メルトダウン、関税で世界的景気後退に現実味 株式や債券、商品などあらゆる市場からトランプ米大統領に明確なメッセージが同時に発せられている。大統領が仕掛けた貿易戦争は世界的なリセッション(景気後退)を引き起こす恐れがあり、しかもそれは急速に現実になりつつあるといったものだ。 トランプ氏による2日の関税発表から48時間もたたずに中国は報復措置を発表。トランプ氏が引き下がる様子を見せないことから、トレーダーは悪循環を織り込み始めている。 トランプ氏の決定で引き起こされた2日間の激しい売りでアジアや欧州、新興国の株式も大きく下落。投資家は国債など安全資産への逃避を急いだ。 影響は特に米国市場で顕著で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が4日、「関税引き上げは想定よりもかなり大幅になることが明らかになりつつある」と発言し、インフレが加速する可能性もあると言及したことで懸念はさらに強まった。成長鈍化とインフレ加速の同時進行は、利下げによる米金融当局の対応を難しくする恐れがある。 S&P500種株価指数は4日に6%下落。この2日間の下げは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が米国を直撃した2020年3月以来の大きさで、約5兆ドル(約730兆円)の時価総額が消失した。ハイテク株比率の高いナスダック100指数も大きく下げ、2月中旬のピークからの下落率が20%を超えた。 影響は株式市場にとどまらない。原油価格は需要が減退するとの観測で急落。投資適格債のデフォルトリスクをヘッジするコストは、23年の米地銀危機以来の大幅上昇となった。その一方で国債には買いが集中した。 アカデミー・セキュリティーズのマクロ戦略責任者、ピーター・チア氏は「われわれは急速にリセッションに向かっている」と分析。「世界は『相互関税』をある程度想定していた。ローズガーデンで発表されたものは大惨事だ。主に米国にとってだが、世界経済に対してもだ」と述べた。 関税計画はトランプ氏が示唆していたほど過激なものにはならないとの観測で、米株式市場は週初、堅調なスタートを切っていた。 しかしそうした期待は2日に打ち砕かれた。トランプ氏は米国への全輸出国に基本税率10%を、中国や欧州連合(EU)など対米貿易黒字の大きい約60カ国・地域を対象に上乗せ税率をそれぞれ適用すると発表。国際貿易の拡大は数十年にわたり世界経済を支えてきたが、大きな後退することになる。 米国が世界中のほぼ全ての国と対立することを意味し、膨張し続ける米国債の供給を海外投資家に吸収してもらう必要がある同国にとって重大なリスクとなる。 ウォール街のストラテジストやエコノミストは、これまで驚くほど堅調だった米経済に衝撃を与える可能性があると指摘し、経済成長率などの予測を下方修正。4日発表の米雇用統計では雇用者数が予想を上回る伸びとなったが、こうした好材料も無視された。 かつてはトランプ氏の保護主義政策の恩恵を受けると期待されていた小型株さえも、景気後退懸念が高まる中で売られた。恐怖指数として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は急騰し、20年以来の高水準で終了した。 シカゴ・オプション取引所(CBOE)の「ボラティリティー指数(VIX)が示すように市場に恐怖があるときには全てが売られる」とフリーダム・キャピタル・マーケッツのジェイ・ウッズ氏は指摘。「空が落ちてきそうな感覚だ」とし、米政権の「気まぐれに振り回されているため今回は非常に異なるシナリオだ」と述べた。 トランプ氏は株価急落を重大視しない姿勢を示している。4日には自身のソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、米国に巨額の投資を行う外国人投資家に対し「私の政策は決して変わらない」との考えを示し、今はかつてないほど富を築く絶好の機会だと述べた。 その後の投稿ではパウエルFRB議長に非難の矛先を向け、「金利を引き下げるには今が絶好のタイミングだ。議長はいつも『遅れて』いるが、今ならそのイメージを覆し、素早く行動できる」と主張した。 トランプ氏は4日、ベトナムの最高指導者共産党書記長との電話会談に言及し、同氏から「米国と合意できるのであれば、ベトナムは関税をゼロまで引き下げたいと言われた」と投稿。これを受け、ベトナムに主要生産拠点があるナイキとルルレモン・アスレティカの株価は急伸した。 野村証やSMBC日興などでも不正取引、顧客口座の乗っ取り被害拡大 楽天証券やSBI証券で顧客のログインパスワードなどが第三者に取得され、不正な取引が行われた問題について、野村証券やSMBC日興証券などでも同様の取引が確認されたことが5日、分かった。証券各社は投資家に対してセキュリティーの強化や不審なメールに対して注意を呼びかけている。 野村証は4日、「野村証券を装い、偽メールでフィッシングサイトに誘導し、口座番号やパスワードなどを盗む事案が当社において急増している」とした上で、「その後、当該お客さまのオンラインサービス上で保有される有価証券の売買等が実施される不正な取引も確認された」とウェブサイトで発表した。 同証広報担当者によると、3月25日に顧客からの申し出を受け、翌日からウェブ上などを通して注意喚起を呼びかけているという。 SMBC日興も4月4日、「現在、フィッシング詐欺等によるものとみられる不正なログインや取引が当社で確認されている」とウェブ上で発表。マネックス証券も同様に不正取引を確認したとウェブ上で発表した。 大和証券やみずほ証券の各広報担当者によると、5日時点で不正取引の被害はそれぞれ確認されていないが、自社を装った偽サイトや偽サイトに誘導するメールなどは確認されているとして、ウェブ上でセキュリティー対策などの注意を促している。 日本取引所グループ(JPX)は4日夕、証券会社を偽って顧客情報を盗み取る被害が発生しているとして、投資家に対してフィッシング詐欺やマルウェア(不正なプログラム)について証券各社が公表している注意喚起を確認するよう呼びかける通知を発表。投資家に対しては、不審な点があった場合は証券会社の問い合わせ窓口などに確認するよう促している。 不正取引を巡っては、3月25日に楽天証が不正取引の疑いがあるとして中国株や香港株計500以上の銘柄を対象に買い注文の受け付けを一時停止。 SBI証も同月31日に不正取引があったことを明らかにしており、3月下旬から低位株の不自然な乱高下と不正取引との関連性が疑われていた。 トランプ減税延長と債務上限引き上げに向け前進-米上院が決議案可決 米上院共和党は、トランプ大統領が掲げる減税方針と債務上限引き上げの実現に向け前進した。大統領の関税政策で混乱に陥っている金融市場に、わずかながらも確実性をもたらす可能性がある。 上院は5日早朝、長時間に及ぶ修正案の採決を経て、予算決議 案を賛成51、反対48で可決した。全民主党議員に加え、共和党からコリンズ議員とポール議員の2人が反対票を投じた。 この決議により、議会共和党は、第1次トランプ政権下の2017年に成立した個人・法人減税を延長する法案を策定することが可能となる。同減税措置は2025年末に期限切れとなる。 また、今後10年間で1兆5000億ドル(約220兆円)の追加減税を認めるとともに、財務省が今夏に債務上限に達する事態を回避できるよう、連邦政府の借入限度額を5兆ドル引き上げることも盛り込まれている。 共和党は、減税措置を関税に続くトランプ大統領の経済政策第2段階と位置づけている。大統領に近い関係者らは、新たな減税で市場が活性化し、確実性を与えることで企業の投資を後押しすると主張している。ただ、この税制パッケージの規模が、投資家の間で広がる関税への懸念を相殺できるかどうかは不透明だ。 議会共和党は、トランプ政権1期目に導入された減税措置のうち期限を迎える部分を延長することが、来年の米家計の税負担増を回避する上で不可欠だと訴えている。 パウエル議長、関税でインフレ長期化を警戒-様子見維持を示唆 パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、新たな関税による経済的影響は想定よりもかなり大きくなる可能性が高いとし、米金融当局としてはそれがインフレの問題悪化につながらないようにする必要があると強調した。 パウエル氏は4日の講演で、「不確実性は依然として高い状態だが、関税引き上げは想定よりもかなり大幅になることが明らかになりつつある」と発言。「同じことが経済への影響についても言えるだろう。それにはインフレ率上昇や成長減速が含まれる」と述べた。発言は講演原稿に基づく。 トランプ米大統領は今週、世界各国からの輸入品に対する新たな関税を発表。これに対し、各国政府は既に報復措置を講じ始めている。 パウエル氏の発言は3月19日の記者会見の時よりも慎重なトーンだ。同会見では関税によるインフレの影響は一過性になる見通しだと話していた。 「関税はインフレを少なくとも一時的に押し上げる可能性が高いが、その影響はより持続的なものになる可能性もある」と同氏はこの日語った。 その上で、インフレが当局の手に負えなくなりつつあるという見方が広がらないよう、FRBは注力すると強調した。 「われわれの責務は長期のインフレ期待をしっかりと安定させること、および価格水準の一時的な上昇が持続的なインフレの問題に発展しないようにすることだ」とパウエル氏は説明。「政策スタンスの調整を検討する前に、状況がより明確になるまでわれわれは様子見できる好位置にある」と続けた。 米金融当局者にとって、経済を完全雇用と低インフレの状態に戻す道筋は狭まっている。トランプ氏が2日に発表した関税措置は、物価安定と最大限の雇用を維持するという当局の2大責務の両方に向かい風となる。 次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合は5月6-7日に開催される。 パウエル氏の講演に先立ち、トランプ氏はパウエル議長に金利引き下げを求めた。「パウエルFRB議長が金利を引き下げるには今が絶好のタイミングだ。議長はいつも『遅れて』いるが、今ならそのイメージを覆し、素早く行動できる」と投稿した。 JPモルガンが今年の米リセッションを予想、トランプ関税が雇用を抑制 JPモルガン・チェース(米銀)は、米トランプ政権が今週発表した関税の影響を考慮した結果、米経済が今年リセッション(景気後退)に陥ると予測している。 「われわれは現在、関税の重みで実質国内総生産(GDP)が縮小するとみており、通年(第4四半期対第4四半期)の実質GDP成長率予想を従来のプラス1.3%からマイナス0.3%に下方修正した」と同行のチーフ米国エコノミスト、マイケル・フェローリ氏が4日の顧客向けリポートで説明した。 フェローリ氏はさらに、「予想される経済活動の縮小は雇用の抑制につながり、時間の経過とともに失業率は5.3%まで上昇する見通しだ」と述べた。 トランプ大統領は2日、世界の貿易相手国に対する大規模な関税を発表。S&P500種株価指数は11カ月ぶりの安値を記録し、週末までの2営業日で5兆4000億ドル(約793兆円)の時価総額が消失した。 関税発表以降、他の銀行も今年の米経済成長予想を引き下げている。3日にはバークレイズが、2025年は「リセッションと合致する」形でGDPが縮小するとの予測を示した。 4日にはシティグループのエコノミストが今年の成長率予測を0.1%に引き下げ、UBSのエコノミストも0.4%に下方修正した。 フェローリ氏は連邦準備制度が6月に政策金利の引き下げを開始し、その後は来年1月までの各会合で利下げを継続すると予想。現在4.25-4.5%のフェデラルファンド(FF)金利が2.75-3%まで引き下げられるとみている。 そうした利下げは、現在の2.8%の基調的インフレ率が年末までに4.4%に上昇するとの予測にもかかわらず行われる見通しだという。 「もしわれわれのスタグフレーション的予測が実現すれ、米金融当局者にとってはジレンマとなるだろう」とフェローリ氏は指摘。「われわれは労働市場の弱さが最終的に左右すると考えており、特にそれが賃金の伸び鈍化を招く場合、価格と賃金のスパイラルは発生しないと、金融当局は自信を強めるだろう」と続けた。 パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は4日、政策金利の調整については「急ぐ必要はないと感じている」と述べた。この発言前に米労働統計局が発表した3月の雇用統計では、雇用者数の堅調な伸びが示される一方、失業率は4.2%とやや上昇した。 先物市場の動きは、投資家が年末までに1ポイントの米利下げを織り込んでいることを示している。 UBSのチーフ米国エコノミスト、ジョナサン・ピングル氏はリポートで、「われわれの予測期間において、米国への輸入は20%余り減少するとみており、その大部分は今後数四半期のうちに起きる。これにより、GDPに占める輸入の比率は1986年以前の水準に戻るだろう」と分析。「今回の貿易政策措置の強硬さを踏まえると、30兆ドル規模の経済に大きなマクロ経済的調整が行われることを意味する」と指摘した。 米銀行株指数、2日間の下げはコロナ禍初期以降で最大-貿易戦争懸念 米株式市場で4日、大手銀行株が軒並み急落し、2営業日の下げとしては2020年3月以来の大きさを記録した。米トランプ政権の関税に対する報復措置を中国が発表し、貿易戦争のエスカレートが懸念された。 モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックス・グループ、シティグループはいずれも終値での下げ率が7%を超えた。KBW銀行株指数は4日までの2日間で約16%下落。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期以来の大幅な下げとなった。 4日に配当落ちとなったJPモルガン・チェースの時価総額は約510億ドル(約7兆5000億円)減少した。地方銀行も売られ、KBW地方銀行株指数は3.7%下落し、昨年7月9日以来の安値で終了した。 中国政府は4日、トランプ政権の新たな関税に対する報復措置として、10日から米国からの輸入品全てに34%の関税を課すと発表した。 バークレイズのアナリスト はリポートで「米国の銀行は、他の多くの業界のように関税の直接的な影響を受けるわけではないが、影響を受ける全産業への直接的なエクスポージャーがあるほか、影響が見られているもようの米経済、金利水準、資本市場にも直接的に関与している」と、指摘した。 KBW銀行株指数は2月の高値からの下げ率が20%を超え、弱気相場入りしている。 「マクロ懸念がこのセクターを完全に支配している」とジョン・マクドナルド氏らトゥルイスト・ファイナンシャルのアナリストは顧客向けリポートで指摘。現在のバリュエーション(株価評価)は、リセッション(景気後退)の確率を約45%織り込んでいると付け加えた。 中国の報復措置の影響は世界の株式市場に広がり、損失が拡大。S&P500種株価指数は4日に6%下落し、ナスダック100指数は弱気相場入りした。数十億ドル相当の合併・買収(M&A)や新規株式公開(IPO)も軒並み延期されている。 1週間後には銀行の四半期決算発表が始まる。JPモルガンとウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレーが11日に発表する予定。 Big Bank Shares Slide to Lowest Level Since August ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループが先月発表した決算では、投資銀行および資本市場部門の減収が響き、減益となった。米投資銀行オッペンハイマーのアナリストは先月、M&Aの回復が見られないことを理由にゴールドマンとカーライル・グループ、ジェフリーズの投資判断を引き下げた。 こうした警告サインは、予想を上回る規模の米関税が市場心理を冷やし、資本市場を混乱させる前に現れていた。今後の焦点は、見通しの変化を受けて各行が業績見通しを維持するか、それとも修正するかに移っている。 関連記事:二転三転のトランプ関税、米銀利益損ねる-ウォール街のベテラン想定 原題:JPMorgan to Goldman Swoon in Worst Two-Day Rout Since Pandemic(抜粋) 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE 株価急落で米IPO延期の動き-クラーナとスタブハブが計画棚上げ Dinesh Nair、Ryan Gould 2025年4月5日 15:18 JST クラーナとスタブハブは3月に米SECにIPOを申請していた トランプ関税発表後の株安でIPOの環境悪化 スウェーデンのフィンテック大手クラーナ・グループとチケット売買サイト運営の米スタブハブ・ホールディングスが、新規株式公開(IPO)計画を棚上げしたことが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。米トランプ政権が広範な関税を発表し、株式相場が急落したことで市場環境が悪化した。 ストックホルムで創業されたデジタル決済企業クラーナと、ニューヨークを拠点とするスタブハブは、3月に米証券取引委員会(SEC)にIPOを申請。投資家向けのマーケティングを開始する準備を進めていた。しかし、市場の混乱で両社はIPO計画を保留にしたと同関係者らは説明した。情報の非公開を理由に匿名を条件に語った。 協議は継続中であり、両社が今後、IPO準備の再開を決める可能性もあるという。クラーナとスタブハブの担当者はいずれもコメントを控えている。 トランプ政権は2日、エコノミストや投資家の予想をはるかに上回る規模の関税措置を発表。世界的な株安の引き金となり、株式公開を目指す企業にとって不利な環境となっている。 クラーナとスタブハブのIPO延期については米紙ウォールストリート・ジャーナルが4日、先に報じていた。 関連記事 コロナ禍以来最悪の株価メルトダウン、関税で世界的景気後退に現実味 チケット売買サイトのスタブハブがIPO申請-昨年は増収で小幅赤字 デジタル決済のクラーナ、米IPO公式申請-金融会社で今年最大級も 原題:Klarna, StubHub Pause IPO Plans After Trump Tariffs Roil Markets(抜粋) 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE 米雇用者数、予想上回る伸び-大規模関税の前に労働市場は堅調 Augusta Saraiva 2025年4月4日 21:42 JST 更新日時 2025年4月5日 1:06 JST 3月の非農業部門雇用者数は22.8万人増-市場予想14万人増 失業率4.2%に上昇、予想4.1%-平均時給は前月比0.3%増 3月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想の全てを上回った。トランプ政権が打ち出した大規模な関税措置が世界経済に影響を及ぼし始める前の時点で、労働市場が底堅かったことが示された。 キーポイント 非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比22万8000人増 予想中央値は14万人増 前月は11万7000人増(速報値15万1000人増)に下方修正 家計調査に基づく失業率は4.2%に上昇-前月4.1% 市場予想は4.1% 非農業部門雇用者数は1、2月分がいずれも幾分、下方修正された。 予想を上回る雇用者数の伸びは、通常なら市場関係者の楽観度合いを高め、相場を押し上げる方向に働き得るが、トランプ大統領の大規模関税に関心が移る中でそうしたムードは乏しい。 米国株は大幅続落。米国債利回りも大幅に低下している。 3月雇用統計の細部は、雇用者数の伸びが一時的要因を含んでいることを示唆する。娯楽・ホスピタリティーの雇用は増えたが、今年に入ってからの例年にない悪天候からの持ち直しである可能性が高い。 前月に減少していた小売りも増加に転じたが、米スーパーマーケット・チェーンのクローガーで発生した従業員1万人のストライキが終了したことなどを反映している。 運輸・倉庫での雇用増は、関税措置の発動前に企業が輸入を増やす駆け込み需要を映していると、一部エコノミストは指摘。このほか、ヘルスケアなどが大きく増加した。 連邦政府職員 連邦政府職員は2022年以降で初めて2カ月連続の減少となった。政府効率化省(DOGE)が連邦職員の削減計画を進めている。統計発表元の労働統計局は、有給で仕事を休んでいる職員や退職手当を受け取っている職員については雇用状態にあると見なしている。 再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、計画されている連邦政府の職員・契約職員のレイオフ数は過去2カ月で28万人余りに上った。 関連記事:DOGEによるレイオフ、2カ月で28万人上回る-チャレンジャー統計 DOGEの計画に伴う雇用減は、関連部門への波及分も含め、年末までに50万人を超える可能性があると試算するエコノミストもいる。また、移民が国境を越える動きが事実上止まる中、トランプ政権の移民政策が労働市場に与える影響も注目されている。 関連記事:米雇用市場、迫る50万人減の足音-DOGE政府改革は民間にも波及へ 3月は家計調査で集計された就業者数が増加に転じた。2月は約1年ぶりの大幅減となっていた。 失業率は上昇したが、小数2桁まで見ると4.14%から4.15%への上昇に過ぎない。要因は複数あり、一つは労働力人口に加わる人が増えたことで、これは確保できていない人材を採用したい雇用主にはプラスだ。一方、恒久的に仕事を失った人が増えたという側面もある。 労働市場に新たに参入したが職を見つけられない人の数は、8年ぶりの高水準となった。複数の仕事を掛け持ちする人が雇用者全体に占める割合は09年以来の高い水準。自発的離職者の数は約1年ぶりの大幅な落ち込みとなった。 労働参加率は62.5%と、前月(62.4%)から小幅に上昇。24歳以下の参加率上昇が全体をけん引した。働き盛り世代の25-54歳では低下し、この1年余りの最低水準となった。 平均時給は前月比0.3%増。前月(0.2%増)から加速し、市場予想と一致した。前年同月比では3.8%増で、前月(4%増)から鈍化。昨年7月以来の低い伸びにとどまった。 サラ・ハウス氏らウェルズ・ファーゴのエコノミストは「米労働市場の見通しは、1カ月前に比べて楽観度合いが低下している」とリポートで指摘。「労働需要が冷え込みつつある傾向は、今回のデータで既に兆候が示されている」とし、トランプ氏による今週の関税発表を受けてそうした論拠の説得力は増したと述べた。 統計の詳細は表をご覧ください。 原題:US Hiring Picks Up, Showcasing Solid Job Market Ahead of Tariffs(抜粋) (統計の詳細やエコノミストの見方を追加して更新します) 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE 任天堂、米国での「スイッチ2 」予約開始延期-米相互関税の影響で Jason Schreier 2025年4月5日 1:34 JST 4月9日の予約開始を見送り、新たな日程は未定-発売日は変更なし 米相互関税、日本24%・任天堂が生産を増やしているベトナムは46% Nintendo's Switch 2. Nintendo's Switch 2. Photographer: Nintendo Co./Nintendo Co. 任天堂は4日、家庭用ゲーム機「スイッチ2」の米国での予約開始を延期すると発表した。トランプ米大統領が世界的に導入する相互関税による影響を巡る懸念を理由に挙げた。 当初予定していた4月9日の予約開始を先送りする。広報担当者は「関税の潜在的な影響や変化する市場環境を精査するため」と説明した。延期についてはテクノロジー関連ニュースサイトのザ・バージと経済専門局CNBCが先に報じていた。 発売日については6月5日で変更はないとしている。予約開始の新たな日程については「現時点で未定」という。 トランプ氏は2日、世界各国・地域からの輸入品に「相互関税」を導入すると発表。日本に対しては24%、任天堂が生産を移行させているベトナムに対しては46%の関税を課す方針を示した。 予約受け付け開始が伝わると、米国株式市場に上場する任天堂の米国預託証券(ADR)は一時9%近く下落。その後は下げ幅を削っている。 |
2025/04/05 06:24
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米連邦準備制度理事会(FRB)の クック理事 は3日、ピッツバーグ大学でのイベントで講演し、トランプ関税など政策の変更が行われる中、今年は経済成長が減速し、インフレ鈍化を巡る進展は 足踏み状態 になると予想した。 その上で金融当局は当面、政策金利を据え置くべきだとの考えも示した。 クック理事は、「現時点ではインフレは上振れ、成長は下振れするリスクがあるというシナリオをより重視している」と述べ、「インフレ率が上昇し成長は減速するというシナリオは、金融当局に困難な課題をもたらす可能性がある」と続けた。 また、経済見通しに対する不確実性は高まっているした上で、米連邦公開市場委員会(FOMC)の現在の政策スタンスは、今後の経済情勢に対応する上で良い位置にあるとの見解を示した。 クック氏は「インフレや失業率の状況次第では、金利を現行水準でより長く維持したり、より早期に利下げするシナリオも考えられる」と語り、「現時点では、われわれは辛抱強くなりつつ注意深くなる余地がある」と続けた。 また、最近見られる財のインフレ加速に言及したうえ、売り手側が 関税によるコスト増加を見越し て価格を引き上げている可能もあると指摘した。 関税は通常、全体のインフレを一時的に押し上げると指摘しつつ、「金融政策にとって重要なのはインフレの上振れが持続的かどうかだ」と述べた。 さらに、「関税の影響が価格全体により広く波及する可能性のあるさまざまな経路を注視している」と説明した。 またミシガン大学調査で示された長期のインフレ期待の上昇について「憂慮すべき」だと語った。 |
2025/04/04 07:28
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任天堂は2日、 家庭用ゲーム機「スイッチ2」 を6月5日に発売すると発表した。 国内専用日本語版の希望小売価格は4万9980円(税込み)で発売当初のスイッチより高くなるが、サードパーティーのソフトや任天堂の人気キャラクターを使ったソフトを多数用意し、買い換えニーズを取り込む。 同日配信した紹介動画では、ボイスチャットやビデオチャットといったコミュニケーション機能を追加した。 このほか、ゲーム画面の共有もできるようにした 本体は画面サイズをスイッチに比べて大きくしたほか、コントローラーの接続をマグネット式にし、背面スタンドなどを備えた。 また、4K解像度にも対応する。 メモリ容量が8倍の256ギガバイトになり、より多くのソフトを保存できるようにした。 単なるバージョンアップではなく、本体設計を一から行ったと強調した。 任天堂は前期(2025年3月期)の営業利益を前の期比47%減の2800億円と計画していた。 スイッチ2の投入で今期以降、再び成長軌道に乗ることができるか注目が集まっている。 米国での発売価格は449.99ドル(約6万7000円)となる。 ソフトも充実させた。スイッチ2発売の同日に「マリオカート」や「ストリートファイター」など18本を投入するほか、25年中には世界的に人気の「エルデンリング」や人気キャラクターの「カービィ」や「ドンキーコング」関連ソフトの発売を予定する。 26年にはエルデンリングを開発したフロム・ソフトウェアの完全新作も控える。 任天堂にとって約8年ぶりの新機種となるスイッチ2は、据え置き型と携帯型を兼ね備えた遊び方を踏襲したほか、スイッチ向けソフトとの互換性もあり、買い換え需要も見込める。 アナリストらは好調なスタートダッシュを期待している。 |
2025/04/04 07:23
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エコノミストは今年の米経済成長見通しを下方修正した。 トランプ政権の 変化し続ける通商政策に よって不確実性が高まる中、 個人消費が軟化 し、資本投資が一段と限定的になると想定している。 最新のエコノミスト調査によると、2025年の国内総生産(GDP)成長率見通しは2%となった。 先月の調査の2.3%から大きく低下した。 また、トランプ関税の経済への逆風を加速させるとの懸念が広がっていることもあり、第1四半期の成長率予測は1.2%と、1ポイントも引き下げられた。 一方、輸入物価の上昇の影響が直撃することもあり、インフレ率は米金融当局の目標値である2%を上回る水準で推移し、年末時点の個人消費支出(PCE)コア価格指数の予想は2.8%と、前回の予測の2.5%を上回った。 連邦公開市場委員会(FOMC)は18、19両日に開催した定例会合で、政策金利を2会合連続で据え置くとともに、成長率予測を引き下げ、インフレ率予想を上方修正した。 回答者は、第2四半期に企業の設備投資の伸びが大幅に減速し、下半期に緩やかに再加速すると予想している。 最近のデータは関税賦課前の在庫積み増しを反映した輸入急増を示しており、第1四半期の輸入予測は、先月の4.7%増から12.9%増へと大幅に上方修正された。 今後12カ月間のリセッション確率は30%と、先月調査の25%から上昇した。 今回の調査はエコノミスト85人を対象に3月21-26日に実施された。 |
2025/04/04 05:18
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米株式相場は3日に急落し、S&P500種株価指数は時価総額およそ2兆ドル(約290兆円)を消失した。 米国の企業の多くが海外の製造業者にサプライチェーンを依存しているのが現実であり、そうした企業の株が、特に売られている。 アップルは一時9.5%安まで値を消した。 同社は米国で販売する製品の大半を中国で製造しているためだ。 また、ベトナムで生産するルルレモン・アスレティカやナイキは、いずれも13%を超える下げとなった。 米国外で調達する製品が大部分を占める大手スーパーのターゲットやダラー・ツリーも、一時少なくとも12%下落し、輸入物価の上昇で消費者の購買意欲が衰退することで売上が縮小することが懸念された流れが出てきている。 ニューヨーク時間、S&P500種構成銘柄の80%余りが下落した。 また、全体の3分の2近くは2%以上の下げとなっている。 |
2025/04/03 13:09
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ドイツ銀行は27日、 イェームス・フォンモルトケ最高財務責任者(CFO) の後任として、ラジャ・アクラム氏を起用すると発表した。 同行が進めるトップ人事刷新の一環。 ドイツ銀行の発表文によれば、アクラム氏は現在、米国の大手金融機関モルガン・スタンレーの副CFOを務めており、10月にドイツ銀に移籍し、移行期間を経てCFOに来年就任する。 同行はまた、クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)の契約を2029年4月まで3年間延長した。 ゼービングCEOはトップ人事刷新に関する書簡で「以前よりも多くの顧客が、銀行分野で欧州の選択肢を求めている。われわれには、その選択肢となり真の欧州チャンピオンになる上で必要なものは全てそろっている」と述べた。 フォンモルトケ氏は、約8年間にわたりCFOを務め コスト管理 成長への投資 のバランスを取りながら、中期的に80億ユーロ(約1兆3000億円)以上を株主に還元するべく取り組んできた。 |
2025/04/03 07:09
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トランプ米大統領は2日、世界の貿易相手国に対し相互関税を課すと発表した。 トランプ氏がかねて不公正だと不満を表明してきた世界の経済システムに対し、これまでで最大の攻勢を仕掛けた。 トランプ氏は米国への全輸出国に最低10%の関税を賦課し、対米貿易黒字の大きい約60カ国・地域を対象に 一段と高い関税率 を適用すると発言した。 明らかにされたチャートによると、関税率は対中国が34%、欧州連合(EU)は20%、 日本は24% ベトナムは46%と差をつけた。 トランプ氏はホワイトハウスのローズガーデンでのイベントで、「長年にわたり、大半において 米国の犠牲 の下に他国が富と権力を得る中、 勤勉な米国民は傍観者の立場 を強いられてきた。だが今後はわれわれが繁栄する番だ」と身勝手な解釈を並べ立てた。 トランプ政権が 最悪の違反国 とレッテルを貼り付けた国や地域を対象とするより高い「相互」関税率は、それらの国・地域が米国産品に課している関税と非関税障壁の政府集計に基づくと主張した。 トランプ氏の計画では、より高いカスタマイズされた税率に直面する国・地域は、計算された数値の約2分の1に相当する課税の対象となる。 ホワイトハウスのファクトシートによれば、最低10%の関税率は米東部時間5日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)、より高い関税率は9日午前0時1分(同日午後1時1分)に適用される。 劇場型政治家で衆目を集めるトランプ氏の発表の全容が明らかになるのに伴い、S&P500種株価指数先物は一時1.9%安、ナスダック100指数先物は2.7%安となった。 自動車メーカー株はほぼ軒並み下落し、フォード・モーターやゼネラル・モーターズ(GM)、ステランティスの株は通常取引終了後の時間外取引でいずれも下げた。 |
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