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# リリミック (不動産投資コンデュイットの再証券化)
2008/07/09 07:01
 世界の大手金融機関に評価損と信用損失4000億ドル(約43兆円)をもたらした一因となった債務担保証券(CDO)が

    リリミック (不動産投資コンデュイットの再証券化)
     (resecuritizations of real estate investment conduits)

という別の名前で買い手を見いだしているという。
  
 コンデュイットは簿外の特別目的会社のことでリリミックは、裏付けとなる住宅ローンについて、大半のCDOより大きな損失に対応できるように組成された部分を含んでいる。
 一方、それ以外の部分は価値が低く、これを購入した投資家からすれば、利回りが20%以上になる可能性もあるようだ。

 世界的な信用収縮を反映し、資産担保証券(ABS)を組み入れたCDOの販売は年初来で10億ドル未満と昨年の2270億ドルから大きく落ち込んでいる。

 ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースなど少なくとも8社が、不要な住宅ローン担保証券のパッケージを組み直して販売している。

 また、米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下の同社はリリミック投資を検討しているという。

 流動性のない証券を動かすことで、仕組み金融業界が再び動き出すことが期待される。


 インサイドMBS&ABS(ニューズレター)によれば、2008年1-5月期のリリミック組成は93億ドル以上と、1年前のほぼ3倍に達した。
 これは米国の住宅金融大手のフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)とファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)、ジニーメイ(米政府当金融金庫)が保証する分を除き、同期間に発行された住宅ローン証券の47%に相当する規模となっている。


 
 リリミックは大半のCDOと異なり、格付け最下位のサブプライム住宅ローン証券の資産区分を基にした債務やクレジット・デフォルトスワップ(CDS)を含んでいない。
 このため、いわゆるオルトA(サブプライムと優良案件の中間)の住宅ローンを担保とする最上級の「AAA」格付けが付与された証券で構成されるようだ。

 住宅ローン証券の保有者はリリミックを使いリスクの高い債務と質の高い債務を分け、これにより、AAA格付けが維持される可能性が高まるという。

  

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