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# アザデガン油田開発
2006/10/02 06:23
 国際石油開発とイラン国営石油公社との契約交渉が正念場を迎えている。

 日本が75%の権益を持つイランのアザデガン油田開発を巡り、早期の開発着手を求めるイランに対し、日本側はイランの核開発問題を批判する米国などに配慮し、身動きが取れない状況が続いている。
 イラン側が最終期限と通告した9月末の協議でも結論は出ず、1日も駆け引きが続いた。これまでイラン石油開発のプラント工事での対応とは異なっており、イランとの関係が悪化する可能性が高まっている。

 イラン国営放送は1日、国際石油開発など日本側交渉団との交渉は2日まで続くと報じた。 日本政府関係者は「9月末の最終期限は越えただけで交渉に進展はない」と述べているが交渉下手でアラビア石油が採掘権の期限切れとなった時の対応の悪さが今回も出そうな感じだ。

 国際石油開発は交渉内容を明かさないが、日本側は開発着手の前提として、現地に残る地雷除去の完全実施を要求しているが、フランス石油企業トタルが参画することにより解決は可能となる見込みだが、なかなか進展しない。

 イラン側の投資額の増額も求め、交渉が難航しているがここに来て中国企業が開発に参画する動きが出ており、動きが急変するかもしれない。

 イランはこれまでも交渉期限をたびたび延期し日本側はに配慮を見せているようだが、これがイラン一流の交渉戦術の範囲を超えているのではないだろうか。

 イラン国会エネルギー委員会のカマル・ダネシャル委員長は9月末、国営イラン通信に「日本との契約は破棄されるだろう。日本は米国に影響され偏向している」と述べ、強硬姿勢を示した。

 アザデガン油田の推定埋蔵量は260億バレルと中東最大級といわれる。
 自主開発油田の割合を現在の15%から40%に引き上げる目標を掲げる日本政府にとって「簡単に手放せない」重要事業だが、米国内で埋蔵量が5割増加していることも影響し、販路確保の動きが影響しているのではないだろうか。

 これまで、イラン核問題で強硬姿勢の米国に対し、日本政府は経済制裁発動の場合はアザデガン開発に対する公的支援はしない意向を非公式に伝えているようだ。
 
 

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