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# ECB追加利上げへの序曲
2006/08/07 19:09
 リープシャー総裁(オーストリア中央銀行)の発言(4日)
   欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー
   場  所  ウィーン

(発言概要)

 ECBは強まる景気と過去最高値付近の原油価格によるインフレ高進を防ぐため追加利上げを行う準備が出来ている。

 物価安定の上振れリスクは後退しておらず、むしろ悪化した。 
 われわれがもしも、データを基に、比較的に緩和的な政策のさらなる引き締めが必要だと判断すれば、必要な利上げ措置を行う。

 ここ2週間で発表された各種統計はユーロ圏の景気加速とインフレ率がECBの目安を上回っていることを示した。

 同中銀は先週、政策金利を3%へ引き上げたが、金利先物相場動向からは、市場参加者らは同金利が来年3月までに3.5%までさらに引き上げられると見込んでいることがうかがえる。

 リープシャー総裁は、2Q期のユーロ圏経済成長率については、前期と同様の前期比0.6%付近だったろうとしたものの、「多少それよりも良かった可能性もある」と指摘した。

 また、インフレについては、間違いなく、リスクは高まったと確信していると指摘した。原油高の継続、原油価格上昇の生産者および消費者物価への波及効果は上向きの動きを見せた。この動向が続けば、金融緩和のさらなる後退が必要になると私は思う。

 これまで3カ月ごとだったのが2カ月後の利上げになったのはまったくの偶然だ。データによるものであり、事前の取り決めはない。

  同総裁はまた、過去4回の利上げ直前にECB政策委員らが使用したインフレに対する「警戒」という言葉を使わなかった。これはECBのトリシェ総裁の立場を踏襲するもので、次回の31日の政策委員会では政策金利が据え置かれることが示唆される。

 私は常に、着実な政策を支持してきた。これまで、われわれは非常に堅実な政策を取ってきており、この小幅な金融調節は市場に驚きを与えることなくしっかりと理解されてきた。これまで、本当の2次的影響は見えていない。ユーロ圏の賃金動向は緩やかだ。ただ、過去にも申し上げた通り、予防は治療よりも優れており、だからこそ、動向を注視する必要がある。
 
 

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