2025/03/17 07:20
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ドイツの次期首相候補の メルツ・キリスト教民主同盟 (CDU)党首 は14日、防衛・インフラ支出のための 財政改革パッケージ を巡り、緑の党と合意に達した。 来週の議会での採決に向け、大きなハードルを乗り越えたことになる。 憲法上の債務制限改正に必要な議会3分の2の賛成を確保するため、CDUを中心とする保守系会派とショルツ首相の社会民主党(SPD)は、緑の党の支持を取り付けようとこれまで腐心していた。 緑の党は当初の財政パッケージを拒否し、 気候変動対策 への積極的な取り組みを求めていた。 メルツ氏は数週間後、ショルツ氏の後任となる見込みだ。 メルツ氏は14日ベルリンで、同党議員らとの会談後、「ドイツは復活した」と記者団に語った。 メルツ氏らは防衛費を 債務制限の対象外 とし、5000億ユーロ(約80兆7600億円)の インフラ投資基金 を設立するという大々的な計画について、両院の支持を獲得しようとしている。 この法案は18日、連邦議会(下院)で採決される予定だ。 合意内容によるとインフラ基金は 新規プロジェクト に充当されるが、緑の党の要求を受け、うち1000億ユーロは 既存の気候変動対策移行基金 に充てられる。 また、防衛費の枠組みも拡大され、ウクライナへの支援とインテリジェンスが含まれることになった。 30億ユーロのウクライナ支援パッケージも、来週には署名される可能性が高いとメルツ氏は述べた。 合意を受けて、ドイツの債券価格は一時大幅安となり、10年債利回りは一時8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.94%となった。 その後は下げ幅を縮小した。 ユーロは対ドルで上昇し、ドイツの主要株価指数であるDAX指数は1.9%高で引けた。 合意が成立した今、両党は議員たちを取り込みに入った。 メルツ氏とSPDは、25日に新連邦議会が招集される前に、法案を議会で可決させようと急いでいる。 極右「ドイツのための選択肢(AfD)」と反資本主義政党「左派党」が勢力を拡大している中、新議会では 憲法改正 に必要な支持を集めるハードルがさらに高くなるためだ。 緑の党のハッセルマン共同代表は14日、議員会合後に記者団に対し「緑の党の議員団についてはまったく心配していない」と述べ、同党が合意を支持することに疑いはないと述べた。 法案の採択に向けては、連邦議会に続き連邦参議院(上院)でも3分の2以上の賛成を得る必要がある。 なお、緑の党の支持があれば、このシナリオは実現する可能性が高い。 社会民主党のクリングバイル共同党首は、緑の党との合意は ドイツを「解放する」 と称賛したうえ、「敗者はいない」と述べ、「勝者は大勢いる。一番の勝者はドイツという国だ」と続けた。 PR |

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