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# アジア企業に暗雲?トランプ氏が復権すれば半導体・EV政策を見直し
2024/11/02 06:15
 トランプ前米大統領は「関税」がお気に入りの言葉だと語り
   高額の輸入税
を課せば製造業が国外から米国に工場を移転せざるを得なくなると主張して選挙戦を戦っている。
 
 そのため、既に対米投資を発表しているアジアの大手企業の中には、トランプ氏がホワイトハウスに返り咲きバイデン政権の減税措置や補助金制度を破棄するのではないかと懸念する企業もある。
  
 トランプ氏は
   インフレ抑制法
を「詐欺」と批判し、米国内の半導体製造を支援する
   CHIPS・科学法
を不利な取引と非難している。
 なお、両法はいずれもバイデン政権下で成立した。
 
 インフレ抑制法では、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー、持続可能な航空燃料(SAF)、水素生産に対して税額控除などのインセンティブが提供される。
   
 トランプ氏はエコノミック・クラブ・オブ・シカゴでブルームバーグ・ニュースのジョン・ミクルスウェイト編集主幹とのインタビューに応じた際、この政策を「グリーン・ニュー・スキャム(環境保護を装った新手の詐欺)」と呼んだ。
 
 一方、2022年成立のCHIPS・科学法は、より高度な半導体製造を米国内に誘致するインセンティブを提供する。
 
 トランプ氏は最近、人気ポッドキャスター、ジョー・ローガン氏とのインタビューで、「半導体のディールは非常にひどい」と述べ、台湾が「米国の半導体事業を盗んだ」と主張。高関税を適用する方が、企業に米国で工場を設立させるためのより良い方法だと論じた。
 
 トランプ氏は「半導体の輸入品に高関税を課せばいい」とローガン氏に指摘。その上で、自分なら「関税を支払う必要はない。米国に工場を建設するだけでいい」と伝えると述べ、「工場建設のために彼らに資金を渡す必要はなかった」と付け加えた。
  
 韓国企業は米国のバッテリー産業に多額の投資を行っており、LGエナジーソリューションやSKオンなどの企業がアリゾナ州やジョージア州、ミシガン州に工場を建設している。
  
 しかし、EV需要は予想ほど強くなく、トランプ氏が政権を奪還してインフレ抑制法に基づく助成金を大幅に削減した場合、こうした企業の財務状況が悪化し、投資の根拠が損なわれる恐れもある。
  
 LGエナジーは、EV販売が予想より低調で、現政権のEV政策をトランプ氏が廃止し得るとし、米国での計画にリスクがあるとの見方を示している。
  
 トランプ氏が勝利し、特に共和党が上下両院を制すれるような場合、複数のEV関連規定が主な廃止対象となるかもしれないと、ブルームバーグNEF(BNEF)のアナリスト、コーリー・キャンター氏は今週のリポートで分析。
  
 同氏は、燃費と排ガスに関する目標は「ほぼ確実に書き換えられる」とし、EVの購入またはリースに対する最大7500ドルの税額控除も廃止される可能性があるとの見通しを示した。
   
 トヨタ自動車や台湾積体電路製造(TSMC)に加え、韓国の現代自動車やサムスン電子などは、米経済の力強さを追い風に、バイデン政権の産業奨励策から恩恵を受けようとこれまで米国での事業規模を拡大してきた。
  
 国連貿易開発会議(UNCTAD)のデータによると、新規の対米グリーンフィールド投資は2021年以降、毎年1100億ドル(約17兆円)を超える。
 けん引役は東アジアの先進国・地域で、ここ3年間では日本と韓国、台湾からの投資合計額が1470億ドルに達している。
   
 こうした投資計画が今、選挙を巡る不確実性に覆われてしまった。
   
 

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