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# 国内事情に鑑み適切と考えられる方法による協調政策
2008/11/16 11:10
 ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)緊急首脳会合(金融サミット) の首脳宣言では、具体的な手段として

      政策金利の引き下げ
      政府歳出の拡大 など

を呼び掛けた。
 ただ、協調政策をとるよりも

      国内事情に鑑み適切と考えられる方法

で各国が実施すべきだとして、個別国の判断にゆだねた。

 また、会計基準の改善とデリバティブ(金融派生商品)市場の強化、ヘッジファンドと格付け会社の監督強化について3月末をめどに追加措置の勧告を出すよう求め、新たな貿易障壁を設けないと宣言するとともに、国際通貨基金(IMF)の資金を拡充する必要性を指摘した。
 4月末までに再度サミットを開催することでも合意した。

 サミットを主催したブッシュ大統領は、成長を目指した経済政策を打ち出すことがすべての国で必要だとの共通理解に至ったと述べた。
 また、技術革新への意欲を損なうことなく、そして市場の機能を破壊することなく、いかにして良好な監督体制を確立するかが問題だと付け加えた。

 首脳宣言では危機の原因分析に触れ、

       適切なリスク判断

もなく、より高い投資利益を追求した投資家を挙げると同時に、先進国の規制当局が金融市場で高まりつつあるリスクを十分に認識せず、適切に対応しなかったと批判した。

 また、金融の革新に対して遅れをとり、国内における規制行動が及ぼす連鎖的な影響を勘案しなかったと分析した。
 今回のような世界規模の危機が二度と起きることのないよう、改革の礎を築かなくてはならないと表明した。

 首脳宣言では

    国境を越えた監督機関を設ける是非

について意見の対立があることに配慮し、監督機能は個別国家の責務であることが最重要であるとした一方で、業務や問題が多国間にわたる金融機関を監督する上では国際間の協調強化が必要だと、バランスを取った表現となった。

 G20は国際的金融機関の監督で協調し、その活動やリスク状況について情報を共有するための

      総合監督機関の創設

を求めた。

 金融危機再発防止に向けた行動として、銀行の資本基準について、仕組債や証券化の業務を重点的に厳格化するのが適切だとの認識を示した。

 また、投資家やヘッジファンドなどの金融機関の情報開示の強化について勧告を出すため、各国財務相レベルで取り組むよう指示した。

 さらに格付け会社の登録制を支持するとともに

      偏りのない情報提供
      利益相反の回避

を確実にするため、その活動の監督を強化する必要性を指摘した。

 また、クレジット・デフォルトスワップ(CDS)をクリアリングハウス(決済機関)で一括して清算することに支持を表明した。
 経営幹部の報酬については、

      過剰なリスク志向を回避する目的

で管理するのが望ましいとしたものの、上限の設定を求めるには至らなかった。

 また、リセッションとの戦いのなかで保護主義に傾かないよう警告し、今後1年間で新たな貿易障壁を設けないことを確約した。
 7月に決裂したWTO(世界貿易機関)の新多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の年内妥結を目指すことでも合意した。

 4月末までに予定される次のサミットはロンドンで開催される可能性が高い。

 オバマ氏は今回の金融サミットへの出席は見送り、オルブライト元国務長官とリーチ元下院議員を代表として送った。
    

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