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2010/10/06 12:29
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ドッド・フランク法は、上院銀行委員会のドッド委員長(民主、コネティカット州)と、下院金融委員会のフランク委員長(民主、マサチューセッツ州)主導でまとめられた。 要 点 (1)消費者金融保護局(Consumer Protection Agency) FRBのなかに消費者金融保護局を設置するが、それは独立したものであり、それを明示するために、トップが大統領により任命される。 (これは上院案に従いつつ、下院案、大統領の見解を反映した妥協的なものになっている)。 サブ・プライム・ブームのとき、金融機関がついには無審査で住宅ローンを組むまでに至り、その結果多くの人が無謀なローンを組み、購入後、デフォルト状態に陥った。 消費者金融保護局はこうした事態の再発を防止すべく、消費者が金融機関に騙されたり、不公正な契約をさせられたりすることを防止するために設置される。 (2)ヴォルカー・ルール これは銀行が 自己勘定取引 (proprietary trading) を行うことを禁ずる条項である。 預金を預かる銀行が、同時に投機的行為に走ることで、利益が相反する行為となり預金者の預金を危険にさらすことを禁ずるものである。 (3)リンカーン条項(通称) ブランチ・リンカーン委員長(上院農業委員会)により提案されたもので Over the Counter.(OTC)相対取引 によるデリヴァティブを廃止し、公開市場を創設することで取引を透明・公正なものにすることを目的とする条項。 この条項はオバマ大統領は反対していたが、ドッド=フランク法のなかに組み込まれた。 (4)システミック・リスクを防止するための委員会 (9 member council) 財務長官をトップにすえた9人からなる委員会 (5)ニューヨーク連銀のトップは大統領による任命制に変更する。 これはウォール・ストリートの影響力を遮断する目的をもっている。 (6)巨大金融機関が破綻しそうな場合、その スムーズな清算・解体 を金融機関からの資金で遂行する。 TBTF(Too Big Too Fail)思想を禁止する。 巨大銀行は、典型的なモラル・ハザードに陥るリスクが内在している。 自分が巨大であるがゆえに、万一経営に失敗しても、国はかならず助けてくれる(もし助けなければ、アメリカ経済全体が危機にさらされるから)と考えがちになり、そうするととんでもない危険な投機行為に走ることになる。 こうした考えに挑み、破綻しそうな金融機関の清算処理に必要な資金を国民の税金ではなく、金融機関の自己負担で処理させようとするもの。 PR |
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